「気のせいでしょ?」――そう言われたのは、家族からでした。
誰にも信じてもらえず孤立していた私を救ってくれたのは、まさかの“赤の他人”。
その人の言葉が、私の世界を変えました。
テクノロジー被害のように、目に見えにくく説明しづらい問題ほど、“証明できない不安”を抱えた人は、誰にも信じてもらえず孤立しやすいのです。
私もそうでした。
スマホや家電の異常、つきまとうような視線…。でも誰に話しても、返ってくるのは「それ、思い込みじゃない?」という言葉ばかりでした。
そんな時、救いになったのは、まったく利害関係のない“赤の他人”の存在でした。
SNSで見つけたある相談窓口。
最初のメッセージを送るまでに3日も悩みましたが、返ってきた言葉は「それはつらかったですね」「詳しくお話を聞かせてください」でした。
たったそれだけで、涙が止まらなくなったことを覚えています。
私の“感覚”を、否定せず、そのまま受け止めてくれる人がいたことが、どれだけ救いだったか。
思い返せば、家族だからこそ言えないこと、分かり合えないことも確かにあるのだと思います。
血のつながりよりも、「聴こうとしてくれる姿勢」に、私は初めて安心を感じました。
“赤の他人”が、私にとっては本当の意味で「味方」だった。
それは特別な誰かじゃなくても、見えないところで必ずつながれる誰かがいる──そう思えることが、私の回復のはじまりでした。